セリエAについて

世界各国に存在する資金力を持った富豪や企業にとって、欧州サッカークラブを買収するというのは一種のステータスでもあります。

その傾向が顕著だったのは、イングランドのプレミアリーグで、アメリカや中東から続々とオーナーとしてクラブを買収するケースが相次ぎました。そしてこの一年ほど、一気にクラブの変化が起こったのはセリエAです。特にミラノの2チーム、ACミランとインテルミラノは、それぞれ中国資本に買収され、それまでとは比べ物にならない資金力を手に入れました。夏の移籍市場では、スター選手を買い集め、チームの編成を一気に変更してしまいました。

かつてイタリアでは、名物オーナーによる独自の運営もリーグの個性として認められていました。しかし、経済危機やプレミアリーグやブンデスリーガとのリーグのブランド化競争に乗り遅れ、欧州サッカー界でも成績が振るわない時期が続きました。ゆえにこの買収劇は、イタリアサッカーが変わるかどうかのひとつのターニングポイントとも言えます。

その一方で強豪のユベントスは変わらずイタリア系オーナーのもと、快進撃を続けています。海外から一気に資本を手にするのが良いのか、それとも変わらずイタリア色の強いチームでい続けるのが良いのか、その答えは何年か後に明らかになるでしょう。