EUの世界と連動

世界の情勢とサッカーは密接な関係にあると言っても過言ではありませんが、特にそれが色濃く出ているのが、欧州サッカーの世界です。

欧州サッカーリーグの最大の特長は、何と言ってもEUヨーロッパ連合加盟国出身の選手の待遇にあります。FIFAに加盟しているサッカーリーグでは、1チームにつき、概ね3人程度の外国人枠が設けられていますが、欧州サッカーリーグの多くは、EU加盟国出身の選手については、外国人枠に含めないというレギュレーションが設けられています。これによって、優秀な選手が、さまざまな国のリーグに参加できるようになり、出場のチャンスを求めて、積極的な移籍が行われています。

EU加盟国の国籍を持つ国民は、ビザの発給の緩和などの恩恵を受けていますが、サッカー選手も、もちろんそれらの恩恵を受けることができ、EU加盟国であれば、プロサッカー選手として活動し、サラリーを得るために必要となる就労ビザの発給や、入国、出国が容易に行えるのも、外国のクラブに移籍をしやすい背景となっています。

これらの政治的な情勢は、欧州サッカーリーグのレギュレーションにも影響を与え、ビジネスの世界で人材の流動化が行われているように、サッカー界でも優秀な選手の流動化が起こり、さまざまな国のリーグで、選手としても、人間としても、多くの経験を積むことができるチャンスに恵まれているのが、欧州サッカーの強さに繋がっています。